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         日比野庵・メルマガ版 No.0034 2009.09.01
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こんにちは。日比野です。

今週は、メディアの情報について、つらつら書いてみたいと思います。


■ 情報管理について 

今の時代は、確かに情報に溢れています。しかも爆発的に増大する一方です。し
かしながら、その情報そのもののの精査、ということになると、私には、まだま
だ不十分といいますか、あまり意識されていないように思うのです。

「情報」を辞書で引くと、次のように定義されています。

・じょうほう [情報] 
(1) 状況や事情の知らせ. 
(2) 判断や行動のための知識.インフォメーション.

7月3日配信記事でも触れましたけれど、情報には、現実の事象を知らせる「報」
の部分とそれに対して、何がしかの価値判断を行なう「情」の部分とで構成され
ています。

前者が辞書で定義されているところの(1)状況や事情の知らせ、に該当します
し、後者は(2) 判断や行動のための知識に対応します。

これは、まったく同じ事実である「報」があったとしても、それをどう位置づけ
るかという「情」によって、全く正反対の結論が導き出せるということをも意味
しています。

作家の三橋貴明氏が、よく指摘されていることですが、日本のメディアは、いか
なる経済指標が出ても、常に「日本は破滅する」というの記事を書く場合が多い
のです。

たとえば、円高になれば「輸出企業壊滅で、日本は破滅する。」といい、円安に
なれば「円安からドル建てGDPが減少して、日は破滅する」という具合にです。

これなどは、円高と円安という正反対の事実、すなわち「報」をしながら、その
価値判断である「情」は常に破滅であるわけです。

実際には、円高にも、円安にも、良い面、悪い面共にあるのですが、都合の悪い
部分には触れないのですね。公平を期するのであれば、できる限り多角的に分析
を行い、それを記事にすべきなのですが、もしも、それを十分理解していながら、
そうしないのであれば、それは、メディアの怠慢か自分の主張を言いたいだけだ
ということになります。

まぁ、「情」の判断は個々の記者や新聞社の判断もあるでしょうから、とやかく
言えないのかもしれませんが、であれば、せめて「情」と「報」で字体を変える
とか、色を変えるとかして、「情」と「報」の区別をひとめで分かるようにして
いただきたいものです。

逆にいえば、読む側としては、記事の中で、どこまでが「報」でどこからが「情」
なのかをしっかりチェックしながら読んでゆくようなリテラシーが求められると
いうことです。

「国際戦略コラム」のFさんに聞いたことがあるのですが、Fさんは新聞・雑誌
から情報収集する時は、図表や統計のみを切り抜いて、記事の部分は全部捨てる
んだそうです。

これなども徹底した「情」と「報」の区別だといえるでしょう。


☆参考URL
メディアのダブルスタンダード 経済編(08年12月22日 改訂)三橋貴明氏
URL:http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_12.html#DSE0808


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