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         日比野庵・メルマガ版 No.0018 2009.05.21
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こんにちは。日比野です。

捕鯨問題における対立は根深いものがあります。まだまだ時間がかかりそうです

■ 世界一という意識の対立と背景のズレ

これまでに争われてきた捕鯨問題の争点はWikipediaによると下記7点
となっている。

1.資源としてのクジラ 
2.自然保護問題としてのクジラ 
3.知的生物としてのクジラ 
4.文化としての捕鯨 
5.原住民生存捕鯨 
6.ホエールウォッチングとの対立 
7.人道的捕殺問題 

それぞれについての様々な意見はあるのだろうけれど、これを更につきつめてみ
ると、鯨を資源(家畜)とみるか保護動物とみるかといった2点に集約されるよう
に思う。1、4、5が資源とみる立場。2,3,6,7が保護動物とみる立場。

今の日本にとって、商業捕鯨の必要性は薄れている。普通のスーパーで鯨肉は手
に入らない。日本が恐れるのは、その先の海洋資源、マグロとか鰯とかが漁獲禁
止されること。

たぶん西洋人は、自分達の文明が世界一の文明だと考えているのだと思う。それ
は過去数百年をみれば、確かにそう。だけど、日本人も意識しているかどうか分
からないけれど、食や食文化に関しては、おそらく自分達が世界一だろうと思っ
ているのではないか。特に魚に関しては。

英紙デイリーテレグラフ東京特派員のコリン・ジョイス氏は、その著書で日本人
の食に対する意識に触れ、こう語っている。


??日本人はよく「日本の料理はおいしいが、イギリスの料理はひどい」という
(その口調にぼくはときに自惚れが混じっているように感じることもある)。

 これにはぼくは賛成できない(しかし普段は礼儀正しく控えめな日本人が、こ
 とこの話題に関してはひどく無礼で慎みがなくなってしまうのはいったいどう
 してなのだろう?)。?? 


食文化については、世界一だと内心自負する日本と、文明で世界一だと思ってい
る欧米の対立。お互い世界一と思っているので簡単には譲れない。でもそれぞれ
世界一と思っている背景がズレているので、話は一向に噛み合うことがない。

例の動画で、日本国内でも人種差別まで指摘するのは行き過ぎだという声も上が
っていたけれど、背景に背負っている意識のズレに起因する問題のようにも思え
る。

この問題を食文化レベルで捉えるか、種の選択と保護というレベルで捉えるかの
違い。


☆━ 編集後記  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
口にこそ出しませんが、日本人は日本の食文化は世界一だと自負しているところ
があるような気がします。そしてそれがあまりにも当たり前だ(と思っている)と
しているが故に、そうであることすら意識しないのでは、と思います。そしてそ
れは外から見ないと分らないものなのかもしれません。

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