宇宙太陽光発電の研究が着々と進んでいるようですね。 

この記事です。 


夢の宇宙太陽光発電、福井大などが装置研究 

 天候や時間帯に左右されない太陽光発電の実用化に向け、福井大大学院の金辺忠准教授(工学研究科)が、宇宙空間で太陽光を効率的にレーザー光に変え、地上に送る装置の研究を宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で進めている。 

 装置が完成すれば、地上で受け取った光で発電し、原発1基分にあたる約100万キロ・ワットをまかなえるという。 

 反射鏡形の装置(縦約200メートル、横約2キロ)を約3万8000キロ上空に飛ばす。金辺准教授は太陽光を吸収・透過しやすい素材を開発。この素材を装置に組み込み、分散している太陽光を“整列”させてレーザー光に変換する。レーザー光は真っすぐな光のため、太陽光よりも強い光を地上に届けられるという。 

 地上での太陽光発電は、光の差さない夜間に発電できず、雨や曇りだと発電効率が落ちる欠点がある。人工衛星などに太陽電池パネルを搭載し、宇宙空間での発電も行われているが、効率的に光を地上に送る技術が確立されていなかった。 

 JAXAは2025~30年をめどに試験装置を設置する予定。金辺准教授は「太陽の無尽蔵のエネルギーを活用でき、石油など化石燃料も不要な夢の発電方法。実験を重ねて実用化を目指したい」と話している。 
(2011年7月24日13時48分 読売新聞) 
URL:http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110724-OYT1T00032.htm

宇宙太陽光発電については、2009年に、日比野庵で記事にしたことがあります。 

宇宙太陽光発電衛星計画 

今回の読売の記事でもそうなんですけれども、問題は送電方法なんですね。普通の光を集めてそのまま送電しても、途中の大気などで散乱して効率よく送電できません。なので、レーザーのように収束性が強くない光で送電することになるのですけれども、それでも静止衛星軌道3万6千kmからの送電となると、受けの地上側ではそれなりの面積のパラボラが必要になります。送信側がほんの少しのズレても地上側では大きなズレになってしまいますから、相当な送信精度が求められるはずです。 

まぁ、そのあたりも含めての技術開発になるでしょうけれども、軍事技術ともリンクすることになり、安全保障を考える意味でも、推進するべきだと思いますね。 



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