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日比野庵・メルマガ版 No.0006 2009.03.26
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こんにちは。日比野です。
△- おしらせ ----------------------------
日比野庵・メルマガ版新作記念として、今週に限り毎日更新いたします。
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CoolJAPANという言葉をお聞きになった方もいらっしゃることかと思い
ます。
2008年1月からNHKで、来日間もない外国人の感性をフルに活かして、
クールな日本の文化を発掘その魅力と秘密を探ろうという番組が放送されていま
す。日本文化は世界に大いに受けいられつつあるように思います。
■ きちんとしてること
漫画やアニメが日本に広まってから随分になる。いまやドラえもんやポケモン
は世界中で受け入れられ、日本のポップカルチャーの代表作にまでなった。
商業誌だけでなく、アマチュア誌の祭典であるコミケも盛ん。
プロとアマの差とは何に現れるのだろうか。
一義的にはその作品が商売になること。そのための必要条件として、作品のレベ
ルが一定水準以上あること。
商売になるということは、有る程度売れることが条件になるから、市場に受け入
れられるものでなくちゃならない。そのためには一定数以上の人に買ってもらえ
るものでないといけないし、読むに耐える最低限のレベルは必要になる。
だからプロの作品には一定以上の水準があるものの、内容も当たり障りのないも
のになりがち。ぶっとんだものはなかなか世に出せない。たとえ作者が出したい
と思っていても。
これがアマチュアの世界になると結構自由。オタク的になるに従って、興味範囲
の指向性がどんどん高くなって、専門性も高くなる。だんだん周りは付いていけ
なくなるけれど、商売関係なしだから、ネタの豊富さや深さ、発想のバラエティ
さなどは制約されない。その代わり広く世には普及しにくい。
だけど、読むに耐える最低限のレベルっていうのも結構重要な要素。これがどこ
まであるかで市場にだせるかどうかの指標になる。
島本和彦の漫画で、世の映画がつまらなかったから、アマチュア映画祭の応援団
長を引き受けて、延々とアマ映画を見た挙句、プロの良さを再認識するという話
があった。
主人公の漫画家、炎尾燃の台詞が印象深い。
「ああ・・・いいなあ・・・内容なんて・・・なくても、全然OKだ。きちんと
した構図で・・・きちんとしたタイミングで・・・きちんと声が聞こえて・・
・きちんとピントがあってるだけでこんなに癒やされるなんて、びっくりだ!!」
島本和彦の言葉を借りれば、きちんとしてるということは、それだけでありがと
うということなのだ。
☆もっと詳しく読みたい方はこちら
「アマの土壌とプロの作物」 http://kotobukibune.at.webry.info/200709/article_14.html
「コミケは誰のものか」 http://kotobukibune.at.webry.info/200709/article_15.html
「文化芸術が世の中に奉仕するとき」 http://kotobukibune.at.webry.info/200709/article_16.html
☆━ 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
島本和彦氏の漫画は昔から好きでよく読んでいたのを覚えています。「炎の転校
生」は名作ですよね?
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